2022年4月16日土曜日

天気痛

ジムへ通うになってからというもの、一切、風邪をひかなくなりました。筋肉を増やすことで抵抗力が増す、とも聞きます。ところが、たまに、頭が重かったり、痛かったり、ということがあります。不思議なことに、熱も無ければ、他に痛いところもありません。その話を後輩にしたところ、それは天気痛ではないですか、と言われました。要するに、気圧の変化に伴う体調不良のことです。しばらく、天気の変わり目と頭痛の関係を気にしてみたところ、毎回というわけではないのですが、気圧が変化する時に頭痛が発生しやすいように思えました。聞けば、多くの人が天気痛に悩まされているようです。

天気痛などという言葉があることも知りませんでした。昔から、古傷が痛むから雨が近い、などといった話は聞いたことがあります。これも天気痛の一種なのでしょう。天気痛を知らなかった理由の一つは、これが病気とは認識されていないことにあります。要は、気圧の変化に体が反応している、いわば現象だというわけです。また、10人に1人くらいの割合で天気痛を感じる人がいるようなのですが、いずれにしても一部の人に限った話であることも理由の一つでしょう。そして”現象”がもたらす体調変化は、頭痛、倦怠感、めまい、肩こり、あるいはリュウマチといった持病の悪化など、一律ではなく、個人差が大きいことも、天気痛の認知度の低さにつながっていると思われます。

最も多い体調変化は、頭痛や倦怠感だと言われます。私の場合は、朝、起きた時に頭痛を感じ、その後、頭が重い感じが続きます。人間の体の6~7割は水分だと言われます。海水面と同様、月の満ち欠けも関係しているのか、とも思いました。ただ、その影響は微弱なようです。天気痛が発生するメカニズムは、医学的に解明されています。内耳が急激な気圧の変化を感じると、三叉神経等も刺激を受け、神経伝達物質が放出されます。すると、脳の血管が拡張するとともに炎症物質も放出され、頭痛を引き起こすということだそうです。また、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が活発になりすぎると、痛みの神経を刺激し、頭や古傷が痛くなるとも言われます。逆に副交感神経が活発になりすぎると、倦怠感や気分の落ち込みにつながるわけです。

天気図では、等圧線の間隔が狭い場合、気圧変化が激しいということになります。低気圧の周囲で等圧線の間隔は狭くなります。つまり、天気が崩れ、風が強まると、天気痛が始まるわけです。ところが、実際には、さほどピッタリとリンクしません。そこが不思議なところでした。最近、TVで知ったのですが、天気図上での低気圧は一点で表わされるものの、実際には、さざ波のように気圧の低いところが周囲に広がっているのだそうです。気圧の急激な変化は、低気圧の接近とともに、断続的に発生しているということです。それなら、天気痛の発生と天気図の不一致は理解できます。最近は、そうした細かな気圧変化から天気痛の発生を予測するアプリも存在し、事前に身構えることも可能になっています。

天気痛の対処法として、耳を刺激する方法等が紹介されていますが、あまり効き目があるようには思えません。私は、ロキソニンを1錠だけ飲むことにしています。ただし、痛みがひどい場合に限ってです。天気痛の予報を見て、事前に服用すればいいのでしょうが、それでは鎮痛剤の飲み過ぎになってしまいます。花粉症予防のフェキソフェナジンは、実に効果的な薬です。天気痛にも、同じような薬を開発してもらえないものかと大いに期待しています。(写真出典:weather.goo.ne.jp)

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