2022年1月31日月曜日

ホール・イン・ワン

Waialae c.c.
2022年1月、”ソニー・オープン・イン・ハワイ”最終日、松山英樹は、ラッセル・ヘンリーとのプレイオフに進みます。ワイアラエ18番ホール、パー5。セカンドショットは残り277ヤード。松山は、逆光の中、3番ウッドを振り抜きます。実にきれいなドロー・ボールは、ピンそば1mに寄り、松山はイーグルで優勝を飾ります。前年10月のZOZOチャンピオンシップの最終ホールに続く、マスターズ・チャンピオンによる鳥肌もののショットでした。さらに、ハワイアン・オープンと言えば、1983年、青木功が、日本人として初めてPGAツアー優勝を果たした大会でもあります。最終日、同じワイアラエ18番ホール。1打ビハインドの青木が、ピッチング・ウェッジでラフから打ったショットは、ストレートにカップイン。奇跡のイーグルで逆転優勝しています。

チップ・インは、回数を重ねていると、たまに出ることがあります。回数を重ねても、滅多に出ないのがホール・イン・ワンです。その発生確率には諸説ありますが、よく見かける数字は、33,000分の1です。分母はホール数だと考えられます。これは、初心者も含めた全てのゴルファーを対象としており、プロや上級者の確率は、もっと高くなります。1ラウンドに、ショート・ホールが4つとすれば、8,250ラウンドに1回という確率になります。毎日、1ラウンドこなせば、おおよそ22年半に1回達成することになります。週1回ゴルフなら、150年以上かかることになります。ちなみに、アメリカのPGAツアーだと、年間30回平均でホール・イン・ワンが出ているそうです。これは、およそ3,700分の1という確率になり、900ラウンドに1回でるということになります。

素人にとって、ホール・イン・ワンは、やはり奇跡とも、アクシデントとも言えます。偶然の産物ゆえに、素人が達成することもあります。私も、1度やりました。新潟の紫雲ゴルフ倶楽部、飯豊コース2番ホール、150y、8番アイアンでした。もちろん、ピンは狙いましたが、トップしたので、「あらっ!」と声を出してしまいました。おおよそ素人のホール・イン・ワンは、ミス・ショットから生まれます。同伴プレイヤーの達成を目撃したこともありますが、やはりトップしたボールが転がって入りました。アクシデントなればこそ、ゴルファー保険のホール・イン・ワン特約も存在するわけです。

もちろん、私も加入していました。ホール・イン・ワン特約は賞金ではありません。あくまでも事故に伴って発生した損害を補償するものです。自分用の新しいゴルフ・クラブを買っても補償されません。記念植樹や記念品の配布費用等が対象となり、そのコストが補償されます。私も、早速、給付金の請求書類を取り寄せました。書式を見て、驚き、あきれました。記入すべき最初の項目が「事故日」となっていました。どうせ私は下手なゴルファーで、ホール・イン・ワンが事故であることくらい、言われなくても分かっています。確かに保険契約上は「保険事故」であることも理解しています。とは言っても、幸運に恵まれて極めて希なことを達成したわけですから、「達成日」と表記したうえで、どうしても必要なら、(保険事故日)と小さく書けばいいじゃないですか。

ロータリークラブの仲間に、当該損保会社の支社長がいたので、このことを、熱く語りました。苦情ではなく、保険会社のホスピタリティ向上のために申しあげたわけですが、大笑いされただけでした。ちなみに、その時点で契約していた補償額上限は50万円でした。もちろん、上限まで、キッチリ使い切りました。そのうえ、契約の更新に際しては、上限を100万円に引き上げ、以来、継続しています。残念ながら、その後、使うことはありませんが。ホール・イン・ワン特約は、赤字になることが多く、今は、保険料も上がり、上限額も50万円となっているようです。ただ、更新契約に関しては、100万円が認められています。(写真出典:Waialaecc.com)

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