たまたま、オープン前の内覧会に行くことができました。ただ、その日は雨。展望台は、雲の中で、何も見えませんでした。後日、展望台にあるレストランに誘ってくれた先輩がおり、夕食にでかけました。ちょうど空気も澄んでいたので、遠くまで見渡すことができ、特に関東平野に浮かぶように立つ筑波山の姿が印象的でした。聞いた話ですが、展望台で、皆が行う事の一つは、自分の家を探すことだそうです。私も探しました。もちろん、見えるわけではありませんが、あのあたりだと確認できるだけで満足なわけです。また、345mの高さから見る東京の夜景も見事でした。一定以上の高さになれば、見える景色に、さほどの違いはないだろうと思っていましたが、明らかに東京タワーから見る夜景とは異なっていました。
NHKの番組で、台湾の風水の第一人者が、スカイツリーは、東京の運気を上げると話していたことを覚えています。川が蛇行するところに立つ高い建物は運気を上げる、と言っていました。東京オリンピック招致が成功した際には、スカイツリーのおかげかとも思いました。風水上、北東方向は鬼門とされます。江戸の町作りも、風水に基づくわけですが、江戸城の北東、上野には寛永寺が置かれました。また、裏鬼門という考え方もあり、芝には増上寺が建立されています。とすれば、スカイツリーは、まさに東京の鬼門に立ち、裏鬼門には東京タワーが立つという綺麗な構図になります。オリンピック招致も結構な話ではありましたが、できることなら、両タワーのパワーで、東京を震災から守ってもらいたいものだと思います。
完成当時、話題になったことの一つが、心柱でした。日本の五重塔は、一つたりとも地震で崩壊していないと言います。なぜなら地面と接しない心柱を持つことで、地面と接する外部構造との間に、揺れの周期にズレが生じ、耐震性を高めているのだそうです。スカイツリーも、中央に避難階段を内包する心柱があり、免震構造の一旦を担うと言います。日本古来の工法が活かされたと話題になりました。ただ、五重塔の心柱は、最上階の屋根に対する重しとして作られたものであり、耐震目的ではありません。また、スカイツリーの心柱は、科学的な免震性の追求から生まれたものであり、古来の工法を取り入れたものではありません。ただ、結果として、免震効果という点ではつながり、話題になったわけです。
スカイツリーで、少し残念に思うのは、ライトアップです。スカイツリーの鉄骨は、筒状になっており、素人ですら、技術的には優れたものだと理解できます。ただ、ライトを当てた際、面が限られるので、あまり映えないという恨みが残ります。対して、面の多い東京タワーやエッフェル塔の鉄骨は、ライト映えがするわけです。ライトアップの設定自体は、見事なものであり、安全性という面も理解できますが、やはり残念な気がします。(写真出典:tokyo-skytree.com)