1951年、ダグラス・マッカーサー元帥が、米国議会で行った退任演説の有名なフレーズです。日本におけるマッカーサー人気も相まって、知らぬものとていない名文句。退任、定年等の挨拶では定番となっています。なんとなく格好いいので使われますが、本当の意味はよく分からないフレーズです。

「老兵は死なず」とは、戦場を生き抜いたから老兵だということなのか、歴戦の老兵は簡単には死なないぞということなのか、よく分かりません。もっと難しいのが「ただ消え去るのみ」です。単に勇退するということなのか、あるいは自嘲的にどうせ消耗品ですよ、と言いたいのでしょうか。少なくとも日本では、へりくだって自分を老兵と呼びつつ「それなりに戦ってきました。まだ元気ですが、勇退の時を迎えました」といった意味で使われています。マッカーサーは、どんな意味で使ったのでしょう。
マッカーサーの真意は、歌自体を研究しても分からないと思います。単にリフを利用しただけであり、リフに秘めた真意がすべてだと思います。赫々たる戦果を挙げつつも、統制違反でトルーマン大統領から解任されたマッカーサーのくやしさ、そして解任されても大統領選に出馬するぞ、という、ある意味、トルーマンへの挑戦状なのでしょう。そう考えると、定年や退任の際の挨拶に相応しい言葉とは思えません。喧嘩売ってるようなものですから。
米国議会で退任演説を行うマッカーサー元帥 出典:sankei.com