2020年6月24日水曜日

営業昔話(11)営業現場の構造

昔々、営業現場は3つの要素で成り立っていたとさ。

全ての営業に当てはまるとは思えませんが、対面販売に限って言えば、営業の現場は、わりと単純な構図であり、3つの要素で構成されていると思います。動機づけ、活動(3K)、組織です。

動機づけ
営業は、外に出れば一人。会社の看板を背負っているとは言え、手を抜くことも可能。自分との戦いの場でもあります。それだけに動機付けはとても重要です。何のために働くのか、ということですが、「夢の実現」といってもいいと思います。夢や働く目的が明確であるほど、いいと思いますし、計画もより具体的になり、自己統制も効き、活動もブレません。マズローの欲求段階説の最上段階である自己実現が最も強い動機付けですが、家を建てるといった身近で具体的な夢も大事だと思います。
内的な動機付けを前提に、外的な動機付けが必要となります。目標と評価です。目標は、計画に基づく実現可能性が重要です。評価は処遇ということでもありますが、実績とリンクさせ、可能な限り見えやすいものがベストでしょう。

活動(3K)
基盤…ターゲットのことです。ターゲットが明確であるほど、計画も教育も、より具体的になり、より的確性が増します。開拓対象が明確なほど、責任感も強まります。
計画…日程管理も大事ですが、その前に、活動をどう組み立てるかということが大事。週に何件のアポといったプロセス目標、週単位で活動を組み立てるといった時間的枠組み、個々に見込み度を上げていく顧客管理等です。計画無くして行動も反省もありません。PDCAを回すための出発点です。計画の理想とすべきは、習慣化だと思います。
教育…商品知識、関連情報、販売手法等に関する教育、あるいは自己研鑽は、常に怠るべきではありません。業績向上のためだけではなく、顧客への誠実な対応の基本として欠かせません。それが個々人の自信、誇り、そして帰属意識の高揚にもつながります。

組織
外に出れば一人だけに、一人にしてはいけないのが営業職だと思います。マズロー的に言えば、社会的欲求と承認欲求は組織で満たされます。人は、自分のためではなく、組織のためなら、持てる能力の120%以上の力も発揮できます。それが人の伸びしろでもあります。ドラッカー曰く「人は組織への貢献のなかでしか育たない。」煎じ詰めれば、組織とは、目標共有と役割分担がすべてです。共感・納得できる目標、その達成に向けた一人ひとりの役割が明確であれば、それで十分です。組織運営の背骨は、目標と評価です。報酬・表彰等といった評価の仕組みは別として、リーダーは日常的に「ほめる・認める・感謝する」を意識することも大事です。要は、一人ひとりの居場所を作ることです。それがチーム・スピリット醸成にもつながります。詳細は別の機会に譲りますが、例え、今、冴えない営業要員であっても、居場所は作ってあげてください。組織の力が大化けさせるかもしれません。

調子の悪い営業組織は、以上の要素のうち、どれかが欠けている、あるいは弱くなっている状態だと思って間違いありません。

マクア渓谷