2020年5月27日水曜日

龍宮城

生野菜を豊富にとるヴェトナム料理は、食べれば食べるほど痩せる。勝手な持論ではありますが、ハノイに滞在した際の体験に基づく持論です。ヴェトナムの人口の8割を占めるキン族の女性は、日本人そっくり。皆さんスタイルも良く、アオザイがよく似合います。健康的なヴェトナム料理のおかげなのでしょう。

「アオザイ姿は、まるで龍宮城の女性たちといった風情でしょ。浦島太郎伝説の龍宮城はヴェトナム中部だったのではないか、というのが私の説です。」と言ったのは、さる商社のハノイ駐在役員。根拠は、女性だけではありません。ヴェトナムは中国文化の影響が色濃く、かつ建国伝説に登場する亀を大事にしている国だから、というのです。

1428年、レ・ロイは、ヴェトナムを支配していた中国の明を破り、大越国初代皇帝となります。レ・ロイは、湖の精霊から授かった宝剣タエンキエムをもって明軍を退けます。戦いが終わると、一匹の大亀が現れ、剣を返してください、と言います。剣をくわえた大亀は湖へと帰っていきます。その湖とは、ハノイの中心にあるホアンキエム湖。湖には、今も大亀が住みついています(2016年、最後の大亀が死んだようですが)。

浦島太郎伝説は、実に不思議な話です。漁民が漂流先で保護を受け、数十年後、奇跡的に帰国した、といったことが実際にあり、その話にインスパイアされた物語とも考えられます。だとすれば、龍宮城=ヴェトナム説は、なかなか魅力的です。ただ、浦島太郎伝説の初出は、8世紀に書かれた丹後国風土記。残念ながら、レ・ロイとは時代が違います。それに潮の流れからしても、やや無理があります。

では、一体、浦島太郎が漂着したのはどこなのでしょうか。丹後からなら、朝鮮半島あたりが無難な線でしょう。潮の流れからすれば、十三湊も有力候補ではないかと思います。古くから、朝鮮半島や大陸と交易があったという十三湊なら、乙姫がいても不思議はありません。
                                                                                                                  ホアンキエム湖  出典:tabinaka.co.jp

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