要は、自宅で料理して食べる習慣が薄れ、安価に満足感とカロリーが得られるファスト・フードへの依存が高まっているわけです。支出金額ベースで見ると、米国の外食率は、1960年頃から伸び始め、2015年には、ついに5割を超えました。外食コストが高めの日本でも35%程度。屋台文化のある東南アジアも外食が多いのですが、夕食は8割以上が自宅でとります。米国で、自宅食が減ったのは、核家族化と離婚率の高さゆえでしょう。米国には、もはや家庭の味は存在しないとも言えそうです。もちろん、外食で何を食べるかも問題です。米国では、ひたすら油と砂糖を食べているわけです。安価な外食の選択肢が少なく、かつ不健康なものが多いのは、歴史の浅い移民国家ゆえ、食文化が薄いということなのでしょう。

ここ数年、米国のファッション界では、「プラスサイズ・モデル」が一般化しつつあります。多様性を否定するつもりはありませんが、「太っていて何が悪い」的な展開は問題だと思います。世界的にも肥満は進んでいます。その一因は、米国式ファスト・フードの世界展開だと思われます。プラスサイズ・モデルが世界標準になることは好ましくないと思います。
典型的ダイナー 出典:eater LA