
第二幕は、明治維新です。禁教令は解かれ、多くの宣教師も来日します。彼らは、欧米文化の伝達に大きな役割を果たしました。また、今に続くミッション系の学校も、この時期、多く設立されています。ただ、天皇の神格化を進め、国の統一をはからんとする薩長の政策は、布教上の大きな壁だったはずです。
第三幕は、戦後ということになります。過去最大のチャンスだったはずです、事実、信者は3倍に増えたようですが、それでも100万人。理由は判然としません。創価学会はじめ日蓮宗系の伸びに負けたという説もあります。創価学会員は、公称800万世帯。学会が世帯、キリスト教は個人への布教だったことが大きな違いを生んだのかも知れません。
一神教が日本に浸透しない最大の理由は、日本の災害の多さにあると思います。自然は、豊かな恵みとともに、度重なる災害をもたらします。唯一神が、神羅万象のすべてを司るとすれば、災害大国で神を理解することは、かなり難しくなります。仏教は、先祖崇拝とのマッチ、国の政策的展開などで一般化しますが、表層的であったと言えます。ただ、釈迦の無常観は、文句なしに日本人の心に響くものでした。
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