久高は、琉球の創造神アマミキヨが降り立った島であり、理想郷ニライカナイから毎年訪れる神々が上陸する島。小さな島の大層は、低木の原生林。神の島ゆえ、手付かずとのこと。東側の道は未舗装。神々が通る道だからとのこと。神の島を守るため、土地は、村人の共同所有となっていました。重要な御嶽等は、いまだに立ち入り禁止です。かつて尚王が聞得大君(神女ノロの長)を伴って礼拝した御殿庭では、12年に一度のイザイホーが行われていました。島の女たちが神女になるための儀式ですが、78年を最後に行われていません。非公開だったため、奇祭中の奇祭と言われていました。66年に撮影された記録フィルムですら、公開されたのは最近のことです。
一番驚いたのは、聞得大君が、今もいるということです。第二尚王朝は、明治政府の琉球処分で、450年の歴史に幕を閉じます。ただ、祭事を仕切るために、聞得大君は脈々と任命されているというのです。昨年春の時点では、尚王家の末裔であるカバヤ製菓の会長夫人が務めておられました。ただ、その方は、昨年秋に亡くなられ、同じく尚王家末裔の方が聞得大君に任命されたようです。