2022年3月20日日曜日

花粉症

10年ほど前のことですが、アメリカ人の友人が、初めて東京を訪れました。東京で印象に残ったは何か、と聞いたところ、二つあると言います。一つは、日本のビジネスマンは、なぜ白いワイシャツばかり着ているのか、ということです。彼の観察によれば、2割くらいの人が、カラーか柄付きワイシャツを着ていた、きっと彼らは、日本の社会の中では、アグレッシブな連中なのだろう、という見立てでした。当たっているようにも思えました。今一つは、白いマスクを付けている人たちを多く見かけたが、あれは何かの宗教なのか、という質問でした。ちょうど春先の花粉の季節だったのです。

大笑いしましたが、欧米人にとって、マスクは医療従事者のための特殊な装備であって、一般人が身につけているのは、尋常ならざることなのでしょう。コロナ禍にあって、欧米では、日本ほどにはマスク着用が徹底できなかったのも、うなづけます。アメリカにも花粉症のようなアレルギー症は存在します。ヘイ・フィーバーと呼ばれています。ただ、マスクを着用する習慣はありません。よく聞く対策は、ワセリンを鼻に塗るという方法です。私も、試してみましたが、まったく役に立ちませんでした。もっとも、原因となる花粉類の種類も量も異なるわけですから、当然かも知れません。

私が花粉症になったのは、12~13年前のことです。それまで、まったく花粉症など他人事だったのですが、軽い風邪をひいたような状態が続き、人から花粉症だよと指摘されました。以来、フェキソフェナジンを服用しています。かつて、花粉症の薬は眠気を誘うものだったようですが、第二世代抗ヒスタミン薬と言われるフェキソフェナジンには、そのようなことはありません。市販薬のアレグラからはじめ、一時期は、アメリカのドラッグストアであるデュエン・リードのジェネリック薬を使っていました。アレグラよりも、3倍くらいフェキソフェナジンの量が多く、よく効きました。上述の友人が来日する際に買ってきてくれたのですが、コロナ禍以降、入手困難となりました。

以来、アレルビというジェネリック薬を使っています。フェキソフェナジンの量が大事なので、高価なアレグラである必要はありません。また、アメリカの薬に近づけるため、アレルビは倍量を服用しています。フェキソフェナジンを服用している限りは、マスクの必要もないほどです。それにしても、花粉症は、いまや国民病と言ってもいいほどなのでしょう。原因を作った戦後の植林政策を批判する声もありますが、結果論に過ぎません。昔から杉の木はあったわけですから、花粉症は、都市化に伴い一般化したと考えるべきなのでしょう。つまり、土の露出が減り、行き場を失った杉花粉が、いつまでも空気中に漂うようになったということです。

私は、杉やヒノキ花粉の時期だけ、フェキソフェナジンを服用しますが、友人の一人は、1年中、服用しています。何の花粉に反応するかは個人差があります。花粉症の原因をつくる植物は多く、1年中、何かの花粉は飛んでいます。さらには、花粉に限らず、ダニやハウスダストでアレルギーを起こす人たちに季節は関係ありません。ここまでアレルギー症の人が多くなると、水道水にフェキソフェナジンを入れておいてもらうと便利なような気もします。(写真出典:businessinsider.jp)

マクア渓谷