2021年12月26日日曜日

麻雀

麻雀を覚えたのは、大学に入ってからでした。1年半、寮生活を送りましたが、随分、麻雀に時間を使いました。寮生活2年目になると、夜中から朝まで、いわゆる徹マンが、同じメンツで、毎日、数ヶ月間続きました。やっている間は、面白いのですが、さすがに生活は乱れます。これではいけないと考え、寮を出ることにしました。当時は、第二次麻雀ブームと言われた時期でもあり、学生も会社員も、皆、麻雀をしていました。大学の周りは雀荘だらけで、しかも、どこも混んでいました。同級生に一人、とても上手い奴がいて、彼は就職せず、プロの雀士になると豪語していました。その後の消息はまったく不明です。

会社に入ってからも、週に2~3回は麻雀に付き合わされました。私の周囲の人たちは、常識的なルールでやっていましたが、時には賭博性の高いルールに付き合うこともありました。国鉄ルールはじめ、○○ルールと呼ばれる独自のルールもあり、それらは、おおよそ賭博性の高いルールでした。社内の麻雀では、その場で賭け金の授受は行わず、月単位で記録され、給料日に精算されます。ごく普通の会社員のルールでは、テンピン、つまり1,000点100円というレートが一般的であり、かつ運が半分といった麻雀の性質から、累計すると均衡してきて、大勝ちしても、大負けしても、せいぜい2~3万が上限でした。ただ、なかにはべらぼうなレートでやっている人たちもいました。安いレートでも、高いレートでも、賭け麻雀は違法です。

92年にNYから戻ると、麻雀ブームは下火になっていました。ところが、今度は、メンツを揃えることが難しくなってきたため、麻雀好きは、かなり頻繁に誘われることになります。一度麻雀をすると、噂を聞きつけた連中から声がかかります。メンツが3人まで揃った状態で誘われると、断りにくいものです。仕事も多忙、かつ時間がもったいないので、私も、麻雀からは距離を置くようになっていきました。あれだけあった雀荘も、いつしか少なくなっていました。思えば、娯楽が少なかった時代のブームだったのでしょう。もちろん、麻雀は、今でも行われていますし、むしろ世界の麻雀人口は増えており、世界大会も開催されているようです。ボケ防止に良いという説もあり、高齢者の”健康麻雀”なるものも存在しています。

麻雀は、基本的には確率のゲームですが、射幸性も高く、それが魅力なのでしょう。運という意味では、配牌時点で、親があがっている状態を「天和(てんほー)」といい、麻雀最高の役満とされます。その発生確率は33万分の1と言われ、61年間、毎日半チャン5回打ち続ければ、天和が発生するという計算になるようです。かつて、会社の先輩で天和をやった人がいたそうです。ゴルフのホール・イン・ワン同様、厄払いとして、あがり手を染め抜いた手ぬぐいを皆に配っていたと聞きます。その後、その人は、各種ギャンブルに手を染め、結果、大きな借金を背負い、家族は離散、会社も辞めざるを得なくなったそうです。俺はツイてると思うのも理解できますが、厄払いも足りなかったのでしょうか。

麻雀は、習慣性も高いように思います。毎日のように続けていると、夕方、無性にやりたくなり、メンツ集めを始めます。しばらくやっていないと、まったくと言っていいほど、やりたいと思わなくなります。私は、ここ20年くらい、卓を囲むことはありませんが、たまにネットの麻雀ゲームをやることはあります。頭の訓練のつもりでやっていますが、それですら熱くなります。ま、熱くなっているようでは、上達しないことも分かっています。麻雀の打ち方は、実によく性格が現れるものです。(写真出典:goodcross.com)

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