2021年9月15日水曜日

夢の国

WDW Magic Kingdom
東京ディズニー・シーが、開業20周年を迎えるとのこと。比較的近くに住んでいるにもかかわらず、一度も行ったことがありません。ディズニー・ランドには、何度も行きました。スポンサー企業に勤める友人の計らいで、開業直前にも行きました。子供も、大人も楽しめる、まさに”夢の国”だと思います。とは言え、子供たちが大きくなり、友達と行くようになると、親世代にとっては、行きたくても行けない、別な意味での”夢の国”になるわけです。私の世代以降は、ディズニーで育ってきた世代です。初めて見た映画がディズニー映画ですし、TVでもディズニーのアニメが流れていました。日本では、ディズニーがDNAに組み込まれた最初の世代と言えます。

NYにいた頃、何度かウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(WDW)に行きました。フロリダのオランドーにある世界一の”夢の国”です。マジック・キングダム、エプコット、アニマル・キングダム、ハリウッド・スタジオという4つのテーマ・パークを中心に、ウォーター・パーク、ショッピング・センター、ホテル、ゴルフ場などで構成され、その広さは、山手線が二つ入って余りあるほど広大なものです。1週間かけても、すべてを楽しむことは、到底無理です。また、近隣にはユニバーサル・スタジオ、シー・ワールド等もあり、少しドライブすれば、ケープ・カナベラルのケネディ宇宙センター、カー・レースのデイトナ500で有名なデイトナ・ビーチもあります。子供のいる家族にとっては、地球上で最高のヴァケーション・センターです。

WDWは、広大であることに加え、世界中から人が押し寄せますから、何よりも事前の計画が大切になります。当時は、オフィシャル・ガイド・ブックの他に、アンオフィシャル・ガイド・ブックなるものも出版されていました。例えば、時間帯別のアトラクションの平均待ち時間、あるいはエプコットは左回りで攻めろといった裏技も満載されたユーザー目線の情報誌でした。大いに活用し、随分と助けられました。また、人気のレストランやショーなどは、事前予約が欠かせません。ネットのない時代ですから、予約開始とともに、電話しまくりました。WDW内のホテルやヴィラに泊まると、一般より早く予約できる特典があり、これは便利でした。とにかく、WDW行きが決まると、計画立案や事前準備で、半年間はアドレナリンが洪水状態でした。パソコンに細かな計画を打ち込み、WDWへ行くという人がいれば、参考に渡してもいました。

WDWのなかで、私が最も好きな場所は、マジック・キングダムへのアプローチです。いくつかのアクセスがありますが、メインは湖を船で渡ります。朝一番の湖は、とても気持ちが良く、新しい一日の始まりにふさわしいものでした。また、夕暮れは、楽しい夜への期待に胸が高まります。そして、日が落ちてから、煌々と輝くマジック・キングダムを目指して、暗い湖の上を進む様は、まさに夢の国へのアプローチそのものでした。WDWは、1971年に開業していますが、そもそもウォルト・ディズニーは、ここに理想の街を作ろうとしたようです。エプコットにその名残があります。EPCOTとは、 Experimental Prototype Community of Tomorrow(実験的未来都市)の略です。建設予定地は、広大な沼地であり、まずは潅漑工事から始めたと言います。建設は、8年に及び、ウォルト・ディズニーは、完成を見ることなく亡くなっています。

東京ディズニー・ランドは、1983年の開業ですから、もうすぐ40周年を迎えます。オリエンタルランド社は、早くからディズニー・パークの誘致を行っていたようです。ただ、当時、ディズニーは、巨額を投じてWDWを建設中であり、また、アメリカ以外での開園というリスクにも慎重でした。結果、世界のディズニー・パークで、唯一、ライセンス方式の運営という選択がなされたわけです。開園10周年の際、絶好調のTDLを訪れたディズニー社の社長は「その判断は、わが社にとって、史上最悪のミスだった」と挨拶しています。(写真出典:wdwnt.com)

マクア渓谷