コロナ禍で、アナログなボードゲームが良く売れているとのこと。若い人たちに趣味を聞けば、ゲームと答える人が増えました。任天堂が、ファミリー・コンピューター、いわゆるファミコンを発売したのが、1983年でした。爆発的人気を誇りましたから、30歳代以下は、ファミコン、あるいは同様のゲーム機で育った世代と言えます。いまやゲームと言えば、ゲーム機、あるいはスマホ、パソコンのソフトのことです。そんな時代になっても、ボードゲームは根強い人気を保っていましたが、ステイホームのなか、家族全員で遊べるという点が評価されて、ちょっとしたブームになっているようです。
世界三大ボードゲームというネット記事を見ると、カタン・ドミオン・カルカソンヌという、すべてドイツのゲームがリストされていました。世界大会も開かれているようですが、まったく知らないゲームばかりです。かつて、世界で最も売れたゲームと言われたのが、1935年発売の「モノポリー」でした。不動産投資ゲームであり、寡占化を進め、相手を破産させれば勝ちとなります。1903年に、エリザベス・マギーが教育目的で開発した「ランドロード・ゲーム」を、チャールズ・ダローが改良を加え、発売されました。やや古い情報ですが、世界100ヵ国で、総計2億5千万セットを売り上げたと言います。1973年から世界大会も開かれており、糸井重里を会長とする日本モノポリー協会も国内大会を続けています。驚異的な売上記録は、今も破られていないものと思います。うちも家族でよくやっていました。
ボードゲームに対して、世界四大テーブルゲームと言われるのが、ポーカー・ドミノ・チェス・バックギャモンです。最も歴史が浅いのが、19世紀頃に始まったというポーカーです。トランプ自体は、中国発祥で、アラブ経由で中世ヨーロッパに伝播しました。ドミノは、12世紀中国発祥とされます。実は麻雀も同じ起源を持ちます。チェスや日本の将棋は、すべて古代インドのチャトランガが祖先だとされます。紀元前4世紀の記録があるとも言われますが、判然としません。バックギャモンは、世界最古のゲームとも言われ、メソポタミアで5千年前から存在したようです。サイコロを使う世界中の双六ゲームの起源です。同じ頃、エジプトには、セネトというサイコロを使うゲームがありました。残念ながらルールが不明だそうです。実は、同じ頃、もう一つのゲームも生まれています。マンカラです。
マンカラは、アフリカ起源と言われ、他に中東、東南アジアでも盛んです。二人で遊びます。横長のボードに、各6個の穴が並列し、手前が自陣となります。ボードの両端にはストアと呼ばれる大きめの穴が各1個あります。ストア以外の各穴に石を3個づつ入れます。先攻は、任意の穴を選び、その穴にある石を全て手に取り、反時計回りに隣の穴から順番に、ストアも含めて1個づつ石を入れていきます(sowing:種まき)。手に取った最後の石がストアに入れば、自分のターンが継続します。他の穴に入れば、相手のターンになります。百通りもの遊び方があるようですが、我が家がやっていたのはシンプルな”カラハ”で、自陣の穴に石が無くなったら勝ちです。マンカラは、別にボードが無くても、小石か豆類が36個、そして相手さえいれば、どこでも遊べます。わざわざ立派なボードを買う必要はありません。我が家は、雰囲気を出すために、アフリカのアンティーク調のボードを使っていましたが、卵が入っているプラスチックのケースで十分です。ルールは、実にシンプルですが、偶然性は皆無です。相手のソーイングも含めて、先の先まで読み、かつ相手を妨害するソーイングも考える必要があります。結構、頭を使いますし、結構、ハマります。(写真出典:etsy.com)