2021年4月13日火曜日

コストコ

倉庫型店舗のコストコ・ホールセールは、1976年にサンディエゴで、原点となる倉庫をスタートし、1983年には、コストコとして、シアトルで開業しています。会員制によるスモール・ビジネス向け店舗、パレットのままの陳列によるコストカット、大ロット販売による低価格化、といったビジネス・モデルは、決してコストコの発明ではありません。コストコは、順調に拡大し、今や世界12カ国で、800を超える倉庫を運営しています。日本への進出は2000年、福岡と幕張を皮切りに、現在は28倉庫まで伸ばし、さらに新しい倉庫も計画されています。我が家も、幕張倉庫オープン時からのファンです。

オープン当初の幕張倉庫は、知名度の低さもあり、週末でもさほど混んでいませんでした。客は、アメリカ人、あるいは日本人も含めてアメリカに居住経験のある人たちが中心でした。そこはアメリカそのものでした。倉庫に入った瞬間から、懐かしいアメリカの匂いがしました。実は、ベーカリーの匂いです。日本のパン屋とは、まったく異なるアメリカ独特の匂いがします。商品もほとんどが、カリフォルニアから運んできたものでした。品揃えは、その後もアメリカで仕入れたものが大半を占めたものの、日本で仕入れたものも増えていきました。また、世界各国で営業している利点も取り入れ、他国で調達したものもあります。コストコの商材の特徴は、自社ブランドに加え、常に最新のトレンドを取り入れていることです。例えば、食品では、オーガニックへの対応等、とても早かったと思います。

我が家も、子供たちが独立すると、コストコの大ロットは、高いハードルになりました。ただ、それでも月1回くらいは通っています。近年、平日のコストコでは、主婦の皆さんのグループ買いが目立つようになりました。マスコミへの露出が増えた影響でもあるのでしょう。なかなか賢い消費行動ですが、必要なものも、好みも異なるのでしょうから、結構、難しいようにも思えます。週末は、家族連れが、遠方からも押し寄せ、大混雑です。ほとんど、行楽地化しています。倉庫は、基本10時オープンですが、9時頃には開けています。ちなみに、コロナ禍以降、障害者や老人向けを対象に、週2日、8時30分からオープンします。これは大助かり。ゆっくり買い物できます。ただ、見ていると、入店時のチェックもなく、一般の人たちも入れます。障害者や老人の買い物に支障のない限り入れる、というコストコらしい実際的な対応だと思います。

コストコの魅力の一つは、フードコートです。代表的なメニューは、でかいホットドッグということになります。トッピングは自由、リフィルOKのソーダが付いて180円。かつては、150円でした。ここで利益を出そうとしていないことがよく分かります。私のお気に入りは、ピッツアです。直径45cmのホールサイズで、1,580円。チーズたっぷりのアメリカの味です。その背徳感は半端なく、カロリーなど聞きたくもない感じです。ピッツアは、スライスでも買えます。1/6カットのスライスでも食べ応え十分です。5種類のチーズを載せたチーズ・ピッツアは、実はスライスの方がチーズの厚みがあります。350円ですから、ホールよりも割高な分、チーズ山盛りなのでしょう。

コストコが日本に進出しきた頃、日本での仕入れには苦労したようです。いち早く、コストコのコンセプトを理解し、協力してくれたのがでん六豆でおなじみの「でん六」だったそうです。でん六は、山形市に本社を置くメーカーです。コストコが、東北初の倉庫をオープンすることになった際の話です。当然、仙台市郊外がベストな立地ということになります。しかし、コストコは、でん六の恩を忘れていませんでした。山形県の上山に東北第一号となる倉庫を開きました。コストコの意外とウェットな対応に感動しました。(写真出典:jp.linkedin.com)

マクア渓谷