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西銀座チャンスセンター |
宝くじの還元率は約46%です。パチンコの85%に比べれば、実に割に合わないギャンブルです。競馬、競輪等の75%に比べても低すぎます。もっとも宝くじ系以外は一時所得として課税されるので、手取は60%を下回ります。還元率が低くても、数億円という高額当選金につられて買ってしまうわけです。毎回、一等が当たるかもしれないと思って買うあたりは、実に悲しい話でもあります。さて、売上の5割以上はどこに行くのか、ということですが、約15%は運営費に充てられます。この程度は必要かな、とも思いますが、いわゆる天下り先に配賦され、広告に随分使われているのは気になります。残り4割は、自治体へ配賦されます。
江戸期の富くじ等は別として、公営ギャンブルとしての宝くじは、1944年に制定された「臨時資金調達法」に基づき発売されたのが始まりです。つまり、創設趣旨からして、政府・自治体の資金調達であり、第二の税収だったわけです。各種税金を納めたうえに、宝くじでも納税しているのかと思えば、やや腹立たしく思えます。300円のくじ券に、内税120円と印刷すれば、売り上げは確実に落ちるでしょうね。ちなみに、19年度の総売上は8,000億円弱。売上のピークは、2005年の1兆1千億円だったそうです。なかなかの金額です。近年は、1等当選金額を引き上げ、売上維持を図っているわけです。
海外の宝くじの還元率は、ドバイが最も高いとされ、72%。超高額当選で有名なアメリカのミリオン・ボールの還元率は67%となっています。アメリカのミリオン・ボールやパワー・ボールの最高当選額は、1,700億円、1,800億円と桁違いです。ただ、アメリカの場合、賞金は課税されるので、手取ベースの還元率は、課税されない日本と同じくらいの率になります。アメリカで超高額当選が出るのは、ナンバーズ方式でキャリー・オーバーが発生すること、そして売上が大きく、日本の8倍近くあるためです。
ちなみに、ドバイは賞品を現金1億円、車、バイクに限定していることもあり、当選確率は日本の4,000倍と聞きます。日本でも、当選金額高額化に伴い当選確率が下がるため、当選額を抑え当選確率を上げたジャンボ・ミニを発売しています。まぁ、いずれにしても、日本の宝くじに文句があるなら、買わなきゃいいだけのことです。ところが、1等何億円と言われると、今回は当たりそうな気がするなどと言って、また買ってしまう日本人のなんと多いことか、ってところです。(写真出典:nisiginzacc.com)