投稿のもとになったのは、新車を当てるゲームです。3枚のドアがあり、1枚には新車、残り2枚にはハズレの意味でヤギが隠されています。新車のドアを選択すれば、新車がもらえます。挑戦者は、まず1枚のドアを選びます。その時点で司会のモンティ・ホールが、残り2枚のうち、ヤギのいるドアを1枚開けます。ここで、挑戦者は、最初の選択を変える権利が与えられます。投稿者がマリリンに質問したのは、挑戦者は選択を変えるべきか、変えないべきか、というものでした。マリリンの答えは、ずばり「変えるべき。その方が新車が当たる確率が倍になるから」というものでした。
直観的に言えば、マリリンの答えには違和感があります。開いていない2枚のドアには、新車かヤギがいるわけで、確率は半々となります。この答えが問題となり、ついには数学界の大御所たちも参戦して、マリリンの答えは間違いだと大騒ぎになります。最終的には、コンピューターを使った分析までが行われ、マリリンが正しかったことが証明されます。数学的には前提が不十分だったり、統計上の事後確率の問題であったりとか、難しい話もあります。また、数式を使った説明も多いのですが、実は、とても単純な話のように思えます。
数学者も含め、多くの人たちは、どっちのドアに新車があるのか、という問題だと勘違いしたのではないかと思います。それなら確率は、半々に決まっています。ところが、そもそもの問題は、最初の選択を変えるべきか否か、ということです。最初の選択で新車が当たっている確率は1/3です。一方、ハズレの確率は2/3です。モンティ・ホールがヤギのドアを開けようが、開けまいが、これは変わりません。2回目の選択での確率は半々で決まっていますから、1回目の選択を変えた方が当たる確率は倍になるわけです。図に描いてみれば分かりやすいと思います。
アメリカ人は、IQ好き。多くの有名人がIQを公開しています。IQはエンジンの回転数に例えると分かりやすいと思います。エンジンの馬力は、”回転数Xトルク(軸を回す力)”で求められます。IQ=回転数が高くても、トルクがゼロであれば、馬力はゼロです。IQの高い人が、仕事や学業で結果を残せるとは限らないわけです。ただ、近年、IQの測定は、判定法によるブレも大きく、あまり意味はないと言われます。マリリン自身も測定は無意味だと発言、ギネスもIQ世界一の記録を抹消しています。(マリリン・ヴォス・サヴァント 写真出典:discogs.com)