
これがスガキヤのビジネス・モデルだと思い、スガキヤの本社を訪問した際、話してみました。ところが、スガキヤが言うには、メインの顧客層は、30歳代の主婦とのこと。なるほど、スーパーに買い物に来た主婦たちが食べているということです。しかし、考えてみると、彼女たちこそ、中高生の頃、毎日のようにスガキヤに陣取り、おしゃべりしていた連中です。舌がスガキヤになっているわけです。スガキヤの超長期戦略です。
かつてスガキヤは首都圏にも進出していました。今は、完全に撤退。味の好みの問題かと思いきや、儲かってはいたが利益率が10%以下だったので撤退したというのです。スガキヤが言うには、人口が多すぎると顧客の選択肢も増え、利益率が下がるようです。それにしても出退店の基準が利益率10%とは、なかなかの強気。スガキヤの強さを見た思いがしました。
2008年、スガキヤ自慢のラーメン・フォークが、ニューヨーク近代美術館のグッド・デザイン・グッズに認定され、MoMAショップで販売開始されました。ラーメン・フォークは、環境保全に配慮して、割りばしから置き換えるために、ノリタケと共同開発されました。フォークとスプーンを合体させたもので、先割れスプーンの進化系と言えます。使い勝手のいいものではありません。MoMAショップで、値付けを問われたスガキヤは、店舗での販売価格400円ほどを提案します。MoMA側から、うちには10ドル以下の商品はないといわれ、12ドルにしたと言います。販売開始に際し、2,000本を持ち込みましたが、なんと2日で完売したそうです。
写真出典:zazacity.jp