2020年8月18日火曜日

巻スカート

アメリカのデス・ヴァレーで、 気温54.4度を記録し、 89年ぶりに最高気温記録を更新するとのこと。デス・ヴァレーは、 深い盆地なので、 熱がこもるようです。

昔、 エジプトのアスワンで、 52度を経験したことがあります。 肌を露出するとやけどすると言われました。 ただ、 湿度が限り無くゼロに近いので、 日陰では、 肌寒く感じられました。 実は、アスワンの52度よりもきつかったのは、パキスタンのカラチで経験した48度。湿度がほぼ100%。冷房のきいた室内から屋外に出ると、コンクリートに押しつぶされたかのような圧力を感じます。いわゆる体感気温ということですが、気温、湿度、風力の関係で、暑さ寒さの感じ方に大きな違いが出るわけです。加えて、人間サイドの代謝、年齢、性別、そして着衣も関係してきます。

エジプトの民族衣装と言えばガラビア。長くてゆったりとしたワンピースです。高温低湿に対応した衣装です。パキスタンは、カミーズというゆったりとした長いシャツに、シャルワールと呼ばれるウェスト3mくらいにもなるゆったりとしたズボン。これも実は、高音低湿向けです。高温多湿のカラチ向けではありませんが、国の大半が高温低湿だからです。キーワードは「ゆったり」。実は、高温多湿地域でも、上着は変化しますが、腰から下はゆったりが基本です。ミャンマーのロンジーはじめ、東南アジアの国々の古い民族衣装には、巻スカート・タイプが多数あります。

考えてみれば、日本の着物も、巻スカート系とも言えます。高温多湿地域としては、理にかなっているわけです。近代化、不平等条約撤廃に向け、脱亜入欧政策を進めた明治政府の心意気は理解できます。ただ、日本もここまで暑くなると、欧州型の服装はいかがなものかと思います。クールビズは、とても良い政策でした。ただ、この酷暑では、日本のサラリーマンが気の毒です。こうなったらアジア的原点に戻り、着物や巻スカートをドレスコードに加えるべきではないでしょうか。ユニクロさんにがんばってもらい、ステテコの商品化に続き、来年の夏は、ビジネス巻スカートをプッシュいただきたいものだと思います。
ミャンマーのロンジー 出典:depositphotos.com

マクア渓谷