2020年8月24日月曜日

インディ500

Indy500 2020
コロナの影響で8月開催となったインディ500で、佐藤琢磨が、2017年に続き二度目の優勝。複数回優勝は、まさに歴史的快挙です。松下幸之助の孫、ヒロ松下が日本人として初めて挑戦してから30年経ちました。インディ500は、モナコ、ル・マンと並ぶ世界三大自動車レースの一つにして、最古のレースです。アメリカでは、野球のワールド・シリーズ、フットボールのスーパーボウル、ゴルフのマスターズと同様、まさに国民的お祭りです。

インディ500は、毎年5月、インディアナポリスで開催されます。オーバルコースでは世界最速のレース。平均速度は350~360キロ、最高速度は380キロに達します。ほっておけば空に飛びだす速度なので、車体は、ダウンフォースを効かせ、地面から浮き上がらないように設計されています。一度インディ・カーのレースを見ました。フェンスにへばりついて観戦し、大失敗。レースカーが速すぎて、間近かではよく見えないのです。その速さですから、一瞬の気の緩みどころか、ミリ単位のハンドル・ミスで、車は宙を舞います。

通常、カーレースと言えば、金曜に練習走行、土曜に予選、日曜が本戦といった日程。インディ500は、その危険性ゆえに、練習走行だけでも1週間行われ、予選も2日間と、日程はおおよそ2週間に及びます。その間、街中がお祭りムード。110年の歴史を誇るインディ500には、数々の伝統があり、特別感を高めます。例えば、優勝者は牛乳を飲むとか、国歌のあとに「Back Home Again in Indiana」を歌うとか。スタートコマンドはスピードウェイを所有するハルマン家が行いますが、これを永らく務めたメアリー・ハリマンの「Gentlemen, start your engines」は名物でした。近年は女性ドライバーも参加するのでLadies & Gentlemen になっているようですが。

モナコやル・マンは、カー・メーカーの戦いとも言えますが、インディカーはほぼワンメイク、皆同じダラーラのシャーシにホンダかシボレーのエンジンを使います。ドライバー個人によるスポーツという色合いが強くなります。モータースポーツの普及度合いの違いかも知れませんが、欧州と米国の文化の違いを感じます。
写真出典:usatoday.com

マクア渓谷