
カルロス・サンタナは、1947年、メキシコのハリスコ州の生まれ。ティワナを経由して、サンフランシスコに移住し、アメリカ国籍を取ります。ブルーズに傾倒していたサンタナのデビューには面白いエピソードがあります。フィルモア・ウェストに出演予定のポール・バターフィールドが泥酔し、穴を埋めるために即席のバンドが結成されます。そこに潜り込んだのが19歳のサンタナでした。その演奏は注目を集め、バンドが結成されました。
1969年には、ファースト・アルバムがリリースされるとともに、伝説のウッドストック・ミュージック・アンド・アート・フェスティバルに出演し、大ブレイクします。翌年、リリースされたAbraxasで、全米ナンバー・ワンを獲得。トップ・バンドになります。ラテン音楽伝統のリズム・セクションに、ラテン音楽独特の哀愁を帯びたメロディ。しかし、なんといってもカルロス・サンタナの抜群のテクニックとユニークなメロディ・センスあふれるギターこそ、サンタナの魅力です。Samba Pa Ti は、美しい旋律とカルロス・サンタナのセンスが詰まった名曲です。
始めてサンタナのライブに行ったのは、76年。オリジナル・メンバーでもあるパーカッショニストのホセ・チェピート・エレアスの強烈な演奏が印象に残りました。以来、折に触れてライブには行っていますが、2013年は、やたらロング・トーンを多用したギターが疲れを感じさせ、心配しました。ただ、2017年の武道館では、完全復活。実にサンタナらしい音を聞かせてくれました。
カルロス・サンタナは、マイルス・デイビスやアリス・コルトレーン始め、実に多様なミュージシャンと共演しています。ただ、いつも確実にサンタナらしいギターを貫いています。数音聞いただけで、サンタナだと分かるくらいです。ラテン・ロックと言われますが、唯一無二のサウンドは、サンタナという独立したジャンルだと思います。
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