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パンソリ 出典:konest.com |
地方に代官として赴任したヤンバン(両班・貴族)の息子・夢龍と、地元のキーセン(妓生・芸妓)の娘・春香が恋に落ちる。夢龍とその家族は、転勤で都に戻る。後任の代官がひどい奴で、春香を手籠めにしようとするが、拒否され、投獄・拷問する。都で科挙に合格した夢龍は、監察官として戻ってきて、代官の悪事をあばき、春香を助けだす。二人は身分の差を乗り越え結ばれる。
代官にいじめられる娘の苦悩、恋する二人に立ちはだかる身分の格差等、いくらでも話を膨らますことができます。歌い手と太鼓だけで演じられる民間芸能パンソリは「ハン(恨)」の文化を体現すると言われます。ドラマティックに歌い上げるパンソリに春香伝はピッタリの演目。ちなみに上演時間は、休憩なしで最低8時間かかると聞きます。
「才子佳人」パターンは、世界中にあります。ただし、それは身分格差が大きかった過去のものであり、時代劇でのみ見られる構図です。しかもかなり使い古した定番パターンにすぎません。それが韓国では、今でも現代劇でよく使われているわけです。韓国が抱える格差社会という問題点の一つが、ここにはっきり現れています。