2020年7月30日木曜日

営業昔話(14)人助け

昔々、営業の極意は人助けと言ったもんだとさ。

一時の幸せを得たいなら、昼寝をしなさい
一日の幸せを得たいなら、魚釣りに行きなさい
一月の幸せを得たいなら、結婚しなさい
一年の幸せを得たいなら、遺産を相続しなさい
一生の幸せを得たいなら、人助けをしなさい

アメリカ人が好む話です。彼らは、中国の言い伝えと言いますが、出典も明らかではなく、また様々なバージョンがあります。例えば、釣り愛好家の皆さんたちは「一生の幸せを得たいなら、釣りをおぼえなさい」と変えています。おそらく、元はアメリカ人の創作ジョークなのでしょうが、よくできています。

ポジティブ心理学の第一人者で、TEDトークスの再生回数トップというショーン・エイカーによれば、成功して幸せになるのではなく、幸せだから成功するのだ、ということになります。いわゆる幸福優位性です。幸せをもたらす神経伝達物質ドーパミンの分泌が良い状態で実験すると、脳の生産性は31%アップ、営業の場合、成績は37%もアップしたと言います。

ハフィントン・ポストに、アメリカの各大学が幸せについて研究した結果が掲載されています。例えば、ハーバード大の研究によれば、時間を使って人助けをすると、オキシトシン、セロトニン、ドーパミンの分泌が高まり、他の人に比べ、仕事への集中力は10倍、昇給は40%も上回ったと言います。

イエール大やノースウェスタン大の研究では、外的要因が幸せに及ぼす影響は限定的だったそうです。つまり、宝くじに当たっても、幸せに与える影響は知れたものだったと言うのです。では幸せに大きな影響を与えるものは何か。それは習慣、そして他者との関わり方であり、特に他者を優先させることが幸せにとって大切だといいます。

つまり、営業成績を上げるために顧客に売り込むという姿勢ではなく、顧客の問題解決を手伝うという姿勢で日々臨めば、ドーパミンの分泌が増え、幸福感が高まり、おのずと成績も上がっていくということになります。
TEDトークスにおけるショーン・エイカー  出典;youtube.com

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