
近年は、健康食品ブームで、オート(燕麦)も人気があり、果物、ナッツ、糖分等を加えたグラノーラやミューズリー、あるいはフスマを原料とするオートブランも売れているようです。食物繊維、ミネラルを多く含み、コレステロール、血糖値、血圧を下げると言われます。ただ、オートミールを食べる人が増えたという話は聞きません。NYに駐在していた頃、アメリカ人に聞きましたが、オートミールは、子供の頃、食べさせられたという話ばかりでした。やはり、みんな嫌いなわけです。
それもそのはず、古代ローマ以降、19世紀まで、オートは馬の飼料でした。食用にしていたのは、スコットランドくらいと言われます。寒冷地や荒れ地等、厳しい環境でも育つオートは優秀な穀物です。ただ、グルテンを含まないので、パンにはできません。オートミールにするしかないわけです。19世紀になると品種改良が進んだこと、アメリカで押麦の技術が開発されたこと等から食品化が進みます。ヘンリー・クローウェルがクエーカー・オーツを創業しオートミールが普及、ジョン・ハーヴェイ・ケロッグがグラノーラを発明しシリアルが普及しました。
昔から青汁は健康に良いとされてきましたが、まずい代物でした。ところが、最近の青汁は、飲みやすいどころかうまいのです。私も、毎朝、飲んでいます。恐らく、最近のオートミールもおいしくなっているのでしょう。試してみようかとも思いますが、クエーカー教徒の顔を見ると、ついつい目を背けてしまいます。