朝は、New York Timesを読みます。全国紙が、USA Todayだけという米国では、経済紙Wall Street Journalと並ぶ大新聞です。これが、なかなかすんなり読めないのです。難しい単語、凝った構文が多く、毎朝、自分の英語力を嘆いていました。夜、帰宅時には、大衆紙New York Postを買います。これが、実にスラスラ読めるわけです。内容も、単語も、構文も分かりやすく、妙に短縮した単語も、例えばPresidentはPrez、nightはniteといった具合ですが、ストリート・イングリッシュそのもので馴染みやすいものがありました。自分の英語力もまずまずと自信を持って帰れました。もちろん、翌朝には、また打ちのめされるわけですが。
驚かされたのは、スーパーマーケットのレジ横の新聞売り場です。週刊新聞の類が売られていました。典型的には「ついに発見!火星人と結婚した女」といった見出しです。売れるから置いているわけで、買う人たちはどこまで信じて読むのか、実に不思議でした。思えば、日本では、多くの人たちが、全国版の朝刊紙、あるいはミニ全国紙的な地方紙を読んでいます。すごいことではありますが、やや異常とも言えそうです。米国の多様性の方が、まだ納得できます。
日本最初の日刊紙は、明治2年創刊の「横浜毎日新聞」です。新聞は、明治政府の後押しもありましたが、日清・日露戦争を契機に発行部数を急増させたようです。従来の論説型から報道型に変わったためと言われます。そもそも日本で新聞が急速に普及した背景には、識字率の高さがあります。戦国時代に来日した宣教師たちも、識字率の高さに驚いています。江戸末期の就学率は80%を超えていました。戦後、GHQが識字率向上のために、日本語のローマ字化を計画します。しかし、調査した識字率が高く、計画を断念したという話まであります。

新聞配達員 出典:pressnet.or.jp