数年前、米国人の友人から、サム・パーカー氏の「華氏212度」というセミナー冊子をもらいました。華氏212度とは、摂氏で言えば100度。99度のお湯も熱いけど、100度になると蒸気が生まれ、産業革命が起こり、世界を変えた。その違いは、たった1度。小さな違いが大きな違いを生む、世界はそんなことにあふれている。私たちも、ちょっとしたことを毎日続けてみよう。例えば、いつもより1本だけ多くセールス・コールをする、それだけで大きな違いが生まれるはず。営業の世界では、しばしば活動の習慣化が大きな成功を生みます。

「週15件のアポ」です。彼が、保険営業を始めた時、マネージャーにこう言われたそうです。「週15件のアポを取れば成功する。」成果を意識するのではなく、日々できるプロセスに注力させるという指導です。生意気だったトニーは「週14件じゃダメなんですか?」と聞きます。マネジャー答えていわく「週14件でも成功するかもしれない。でも15件なら必ず成功する。」実に優れたマネジャーです。単なる努力目標と習慣化の違いを教えたわけです。
トニーは、週15件のアポにこだわっていたら、いつのまにか世界一になっていた、と言います。それは自分との約束であり、それを破ることは自分を否定することになる。翌週のアポが15件にならない限り、家には帰らない、とも言っていました。
「凡事徹底」という言葉があります。「継続こそ力なり」という言葉もあります。いずれもいい言葉ですが、非凡な努力が求められているようにも聞こえます。しかし、習慣化できれば、もっと気楽に続けることができるはずです。
トニー・ゴードン 写真出典:tonygordon.biz