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コンディション・グリーン |
沖縄の模合、全国的には無尽、あるいは頼母子講は、鎌倉期から続く日本の民間金融システムです。基本的には、グループ・メンバーが均一額を毎月積み立て、毎年異なる一人が総額を受け取る仕組み。例えば、10人のグループであれば、10年に一度、10年間に拠出する額と同額をまとめて受け取ることができます。明治以降は、大規模な営利目的の無尽が展開されました。悪徳業者も多かったことから、規制法や免許制も導入されました。これは、あくまでも業者規制であり、個人間の無尽は今も規制がありません。
以降、規模はさらに拡大し、銀行業務に近いことを行う無尽もでてきました。1951年の法改正で、銀行業務も可能な相互銀行として生まれ変わります。無尽は、積立定期預金に近いとも言えますから、銀行化も理解できます。それだけに金融システムが普及すれば無用となります。92年には相互銀行法も廃止、第二地銀として普通銀行化しました。800年の歴史は、そのニーズの高さの表れであり、世界中で、同様の民間金融が存在します。
銀行や郵貯が普及、定着した現代、無尽の必要性はほぼありません。沖縄でいまだ模合が盛んな理由は、農村の互助の仕組み「ゆいまーる」に基づく県民の助け合い精神の現れだ、と言われます。違うと思います。模合は、信頼の確認や集金目的で、定期的に寄り合いがもたれます。沖縄の県民性からして、毎月の寄り合い、つまり飲み会こそ、模合が続いている唯一の理由だと思います。
写真出典:milestone-t.com