2020年4月29日水曜日

ジャーク・チキン

医学的には、人間が食べていい肉は白い肉だけ、と聞きます。現実的には鶏肉ということになります。世界の鶏肉料理のバリエーションは、他の肉より多いように思います。比較的淡泊な味が、様々な料理に合うのでしょう。逆に言えば、調味料の使い方が、鶏肉料理のポイントとも言えます。調味料類に漬けてから焼く、いわゆる漬け焼きも世界中にあります。

私が思う鶏肉の世界三大漬け焼きは、タンドリー・チキン、ジャーク・チキン、鶏の照り焼きです。いずれも大好物ですが、最も味わい深いのがジャーク・チキンだと思います。辛さもさることながら、とても深い複雑な味がします。調味料は、ピメント(オール・スパイス)、スコッチボネット(唐辛子系)、エスカリオン(青葱系)が基本となります。全てを揃えるのは難しいので、私は、カルディで買ったジャマイカのジャーク・シーズニングを使います。簡単にレストラン並みのジャーク・チキンができます。

ジャマイカ系レストランは、決まってラスタファリアンっぽい人たちがやっています。ジャマイカと言えば、ラスタですからね。ラスタ・カラー、ラスタ・ヘアー、そしてレゲエ。ラスタファリズムは、1930年代、ジャマイカで、農民や労働者の間に発生したアフリカ回帰運動です。エチオピアのハイレ・セラシエ皇帝を神として、アフリカへの回帰を訴えます。ドレッド・ヘアー、ガンジャ(大麻)、そして菜食主義が生活信条です。ですから、ラスタがジャーク・チキンを食べることは、絶対にないのですけどね。


ラスタは、ジャマイカでも人口の5%程度という少数派。ラスタを世界に知らしめたのはレゲエの巨人ボブ・マーリー。世界は、彼を通して、レゲエを知り、ラスタを知ります。最も売上げの多いアーティストの一人であり、死後に発売されたベスト・アルバムは、今でもビルボードのチャートにランクインしています。ボブ・マーリーの音楽も政治的姿勢も魅力的ですが、レゲエのリズムは単純すぎて飽きてしまいます。
写真出典:YouTube


マクア渓谷