ハンニバルで有名なカルタゴのバルカ家が、紀元前3世紀に建設した植民都市バルチーノが、バルセロナの起源とされます。その後、何度か繁栄した時期もありますが、おおむね地方中堅都市に過ぎませんでした。ところが、産業革命が、街を一変させます。国内外から集まった労働者で街はあふれ、セルダ設計による大拡張計画が実施されます。碁盤の目で知られる計画都市は、労働者のための住宅供給を目的に作られたものでした。つまり、バルセロナは、19世紀に突如出現した労働者の街だと言っても過言ではありません。
産業資本が、ムンタネーやガウディの斬新な建築に資金を供給し、多数を占める労働者が、無政府主義なムードの街を作ります。スペイン内乱のおり、バルセロナは左翼政権を支持、反ファシストどころか革命機運まで盛り上がります。共産党政府を支援するスターリンは、無政府主義の街バルセロナを抑圧。反ファシストの戦いの最中、共産党と無政府主義者が市街戦を繰り広げました。スターリンとトロツキーの代理戦争です。これでは、ナチスに支援されたフランコの反乱軍に勝てるわけがありません。
サグラダ・ファミリアは2026年完成予定。高さは今の倍になります。