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カバディ |
カバディは、10名前後で構成される2チームが、攻撃側と守備側に分かれてプレーします。攻撃側は、一人が守備側陣地に入り、守備側のメンバーにタッチして、自陣に戻れば得点となります。攻撃するプレイヤーは、カバディ、カバディと言い続けなければなりません。これは、一回の攻撃が、一呼吸分と決められているので、それを担保しているわけです。カバディという言葉には意味がないのだそうです。一方、守備側は、攻撃側が自陣に戻ることを阻止できれば、得点が入ります。タッチされたり、自陣に戻れなかったプレイヤーは、ペナルティとして、コートの外に出て、自軍が得点するまで戻れません。スポーツというよりも、とても単純な遊びのように思えます。
南アジアでは、盛んにプレーされているようですが、多くの日本人がカバディを知ることになったのは、1990年に北京で開催されたアジア大会でした。この大会から、カバディは、正式種目とされました。同時に、マレーシア発祥と言われる球技セパタクローも正式種目となり、なじみの無い二つの競技は、日本で大いに話題になりました。4年に一度行われるアジア競技大会、通称アジア大会は、1951年、ニューデリーで第一回が開催されました。その源流となったのは、戦前、日本、フィリピン、中国の3カ国で行われていた極東選手権競技大会、そしてインドで行われていた西アジア競技大会だとされます。アジア大会は、政治的状況、あるいは種目を巡る争い等、紆余曲折はあったものの、現在に至るまで継続されています。
直近のアジア大会は、2018年、ジャカルタで開催されています。競技は40種行われています。基本的には、東京オリンピックで行われた競技とほぼ同じですが、ウズベキスタンの格闘技クラッシュ、ロシアの格闘技サンボ、あるいはクリケットやスカッシュなども行われています。カバディ、セパタクロー以上に驚きなのは、カードゲームのブリッジです。英国の植民地が多かった影響なのでしょう。ちなみに、ジャカルタ大会のMVPは、池江璃花子選手が獲得しています。次回大会は、2022年、杭州で開催されます。杭州大会では、e-スポーツが正式種目化されるようです。おそらく中国のハイテク産業がスポンサーに名を連ねているのでしょう。また、2026年には、名古屋で開催されることも決まっています。
アジア大会に各国の国技を持ち込むことはかまいませんが、さすがに競技者の国際的広がりが前提だと思います。おそらく競技の種目選定に関する何らかの規定が存在するのでしょうが、杭州大会では、中国将棋のシャンチーまで種目化されると聞き、耳を疑いました。このままだと、名古屋大会では、相撲が正式種目になるのではないかと心配になります。相撲も世界選手権が開かれてはいますが、アジア大会の秩序ある発展のためには、やめておいた方がいいでしょう。(写真出典:indiatoday.in)