2020年4月12日日曜日

残日ということ

日残りて昏るるに未だ遠し・・・藤沢周平「三屋清左衛門残日録」


定年を迎えれば、老いと重なり、誰もが様々な不安と向き合うことになります。老後をエンジョイしている方々であっても、人生を悟ったがごとき方々でも同じです。死と同じく老後も万民に平等だからです。ただ、私の場合、今日も会社に行かなくていいんだぁ、という喜びの方が不安に勝っています。こんな感情は、ビールの泡と同じで、そのうち消えていくのでしょうが、とりあえずうれしいわけです。振り返れば、私は、人生のほとんどの時間を仕事に費やしてきました。会社勤めをしている間には出来なかったことをやれる時間を得たことがとてもうれしいのです。と言っても大層なことをするわけでもありません。本を読む、映画を見る、美術館に行く、音楽や古典芸能を楽しむ、旅に出る、食事を堪能する等々。これが私の日々。日々、思ったこと、大好きな話などを書いていきます。これが私の残日録です。何の役にもたちませんが、それも老人の特権かもしれません。強いて言えば、朝礼のネタくらいにはなるかも知れません。

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