2020年9月15日火曜日

稲とアイドル

日本のアイドル文化は、マーケティングの成功もあり、独特な世界を築いていると思います。もちろん、アイドルの文化自体は世界中にあります。そもそもアイドルという定義もはっきりしないのですが、歌手、俳優に比べ、より全人格的に愛される人たちのように思われます。フランク・シナトラが女学生のアイドルと呼ばれたことが初出のようです。恐らくTVの普及が背景にあるのでしょう。歌や演技のうまさとは別に、歌手や俳優を個人としてより身近に感じられるようになったということだと思います。

日本の女性アイドルは、なぜ幼稚な印象の少女ばかりなのか、不思議だと思ったことがあります。大人っぽさやセクシーさを強調する欧米の同年代のスターたちとは好対照です。女性の幼稚さが好まれる傾向は、東南アジア全域に見られるようです。その究極が中国の纏足なのではないでしょうか。女性のよちよち歩く姿が、性的意味合いも含めて好まれたことから、唐代に始まりました。女性蔑視の典型のようなとんでもない風習です。女性の幼稚さを良しとする背景には、稲作の文化があると、何かで読んだことがあります。

20世紀初頭のデータでは、欧州の小麦農家の年間労働時間は1,600時間ほど。対して、中国長江流域の稲作農家は3,000時間だというのです。水耕栽培は、生産性を飛躍的に高めたわけですが、実に手間のかかる栽培法でもあるわけです。家族総出、集落総出での作業も多く、とにかく多くの人手が必要となります。乳幼児の死亡率の高さも考慮すれば、女性は沢山の子供を産むことが要求されました。多産か否かは、見た目で判断できないので、とりあえず若い女性ほど多産の可能性が高いとされたわけです。幼稚さは、私はこれから沢山の子供を産めますよ、というアピールだったと言えます。

欧州の小麦農家も人手は必要なのでしょうが、比較的短時間に重労働をこなすためには、頑健な体が求められます。女性には、体格の良い子を産むことが求められたのでしょう。しっかりとした骨盤で、今すぐ立派な子供を産めそうな女性が好まれたと想像できます。ある調査で、欧州の男性は、女性の臀部に最も魅力を感じるという結果がでていました。うなずけます。ちなみに、女性の魅力は臀部と答える人が世界で一番多いのは、サブ・サハラ地域だそうです。若い女性たちは、一生懸命、お尻を大きくするクリームを塗るそうです。サブ・サハラで、日本の女性アイドルは、まったくウケないものと確信します。
纏足靴    写真出典:ricosta.jp

「新世紀ロマンティクス」